これから株式投資をはじめる方には、まず株式についての正しい理解を持っておくことをおすすめしたいと思います。株式は、自分の大切なお金を投じる対象だから基本をしっかりと抑えておきましょう。
また、株式の概要を理解することであなたが購入する株式銘柄を選ぶ際の基本原則も理解することができるようになっています。
では早速解説していきましょう。
株式とは何なのか?
株式投資を行う上で理解しておくべき「株式」のポイントは、次のようになります。
- 株式とは、株式会社の資本を構成する単位
- 株式会社は、事業を行うために株式を売り出して必要な資本(お金)を集める
- お金を提供した側は、株主と呼ばれる
- 株主は会社のオーナーとしての権利を得る
つまり、企業が事業を行うためにはお金が必要であり、そのお金を集めるために株式を発行し販売します。その購入者が株式との対価として支払った金額が、企業の運営資金(資本金)となるわけです。
また、株式は自由に売買が認められており、店頭公開している企業の株式は、株式市場を通じて売買することができます。この売買(売り手と買い手とのやりとり)の過程で、売り買いの需給バランスが発生し、株価が変動するというわけです。
それでは、上記のポイントについてもう少し詳しく見ていきましょう。
株式は企業の資本構成単位
こう書くと難しく感じるかもしれませんが、複雑なことは何もありません。企業の資本金は株式を株主に販売して得られた金額の総額、と考えてください。
例えば、上場している株式会社の場合、ホームページに「資本金」という欄がありますが、原則として、資本金とはこれまで発行した株式の販売金額の総額を示しています。
上場企業の株価は日々変動するものですが、資本金は株式を発行した時点の金額であり、その企業が株式の販売を通じて集めた金額ということです。
このことから、株式は企業の資本(資本金)の構成単位であることが理解できると思います。試しにあなたの思いつく株式会社をGoogleやYahooで検索してみましょう。株式と資本金のイメージがつかめるはずです。
株式会社にとっての資金調達
企業は事業活動をしていく上で、ときにお金を集める必要がでてきます。その際、銀行などの金融機関からお金を借りる(融資といいます)、個人や別の企業からお金を借りる(社債発行といいます)、新たに株式を発行して販売する(増資といいます)といった方法があります。
株式投資においては、この増資がポイントです。株式は株式市場を通じて売買され、値段が変動しますので、将来この企業の株価が上がりそうだ(将来売却すると儲かりそうだ)と考える投資家は、その株式の発行に応じてお金を支払い、株式を手にします。その結果、企業は当初の目的であった資金の調達を行うことができるというわけです。
ちなみに、企業は融資や社債によって得たお金は貸し手に返す必要がありますが、増資によって得たお金は株主へ返す必要がありません。その代わりに株主に対して、会社のオーナーとしての権利を与えているからです。この点はのちほど詳しく説明します。
ではお金を支払った株主はどうやってお金を回収するのでしょうか?もうお分かりだと思いますが、その答えは、保有する株式を欲しいという人に売ることで回収する、ということになります。
ここまでの2つは、株式および株式会社の仕組みのような話ですが、株主(投資家であるあなたを含む)にとってより重要なポイントが次の2点です。
・資本を提供した側は、株主と呼ばれる
・株主は会社のオーナーとしての権利を得る
つまり、企業に資金を提供した株主は、自分の株を自由に売買して利益を得ることもできるということです。従って、「株式を買う = 株主の権利を手に入れる」ということなのです。
では、株主が持つ権利とはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
株主が持つ権利と責任
株式会社に資本を提供した株主は次のような権利を持っています。
- 経営に対する意思表示をする権利(議決権)
- 保有している株式を売却する権利
- 配当や株主優待を受け取る権利
これらは一例ですが、株式投資を行う上で重視したいのは2と3です。その他、株主の権利についての詳細は別の記事で扱う予定です。
有限責任の原則
もう1つ株式投資を行う上で非常に大切なポイントがあります。それは「株主は自分が出資した金額以上に損をすることはない」という点です。会社のオーナーとしての権利は得るが、例えばその会社が倒産したり、不正会計をしたからといって、あなたに出資した金額以上の損失がでたり、責任を問われたりすることはありません。これを有限責任といいます。
株式についてのまとめ
ここまでのポイントをまとめておきます。
1.株式会社は株式の発行を通じて資金を調達する
2.株式会社は株で調達したお金を株主へ返さなくて良い
3.株主は株式の売買や配当・優待などを通じて利益を得ることができる
4.株価は企業の業績や人気によって変動する
5.株主は出資額以上の責任は負わない
株式の原則から見た銘柄の選び方
ここまで読み進めてもらうとお分かりだと思いますが、株式投資で利益を出そうと考えるあなたは、将来的に業績や人気が上がりそう(その結果、株価が上がりそう)な企業の株式を買ったほうが良い、ということになります。将来性のある企業を見極めるために有効な手法のひとつがファンダメンタルズ分析です、詳細はまた別の記事で扱いたいと思います。
ここまで読み進めたあなたは、株式については理解していただけたと思います。続いては、いよいよ株式投資の実践的な話へと進んでいきたいと思います。株式投資をめぐる環境の変化、わたしたち個人投資家にとって株式投資がしやすくなってきている背景を解説します。
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