冒頭から唐突ですが、あなたは資産運用していますか?
おそらくこの記事の読者は、株式投資に関心を寄せている一方、本格的に株式投資をしたことがない、または、これから株式投資について勉強をしたいと考えている方がほとんだだと思います。。なかには初歩的な知識は身につけたつもりだが、やや実践的な投資に踏み出すには心もとない、という方もいるかもしれません。
読者の中には、20代から30代の若手ビジネスマンや、定年退職まで残すところ10から20年ほどの管理職の方、はたまた学生の方やパートタイムと家計のやりくりに奮闘している主婦の方もいるかもしれません。。
この記事は、これから株式投資をはじめたいというすべての方を対象としています。株式投資をはじめるにあたって、早すぎたり遅すぎたりということは一切ないので安心してください。
規模の大小を問わず、手持ちの余裕資金を株式に振り向けて投資することで、自分自身や家族の経済的パフォーマンスを改善したい方は、ぜひこのまま読み進めて欲しいと思います。
前置きが長くなってしまいましたが、この記事は、これから株式投資の勉強(および実践)を控える方々のために、あらためて株式投資を行う理由を再確認してもらうことが目的としています。
株式投資を勉強しておくべき理由
株式投資をやる理由、それは言わずもがな、株式投資で儲けを出すことだと思います。出した儲けを生活費に充てたり、老後の生活資金に回したり、その用途は千差万別、ひとそれぞれです。ですが、この記事で確認していただきたいのは、もう少し大きな理由です。
筆者が考える株式投資をやるべき理由、勉強しておくべき理由は大きく次の2つです。
・経済的リターンを得るため
・精神的リターンを得るため
この2つはそれぞれ別のリターンのようですが、それでいて両者はともに密接に結びついています。ひとつずつ説明していきましょう。
経済的リターンを得る
みずから損をするために株式投資をはじめる方はいないわけですが、トクをする場面をはっきりさせておくことは非常に大切です。株式投資で得られる経済的リターンとして、具体的に次の3つが挙げられます。
1.株の売却益
キャピタルゲインと呼ばれるもので、購入した価格よりも株価が値上がりし、その時点で売却することで得られる差益のことをいいます。多くの株式投資家はこのキャピタルゲインを狙って日々奮闘していると考えて良いでしょう。
2.株の配当益
こちらはいわゆるインカムゲインと呼ばれるもので、企業の株式を購入し保有することで得た株主としての権利から、その企業の配当金によって得る利益のことをいいます。中長期投資の個人投資家の中には、キャピタルゲインよりもインカムゲインを重視している方もいるほどです。ただし無配(配当金ゼロ)の企業においては、この配当益は期待できません。
3.株主優待
世界でも日本企業において独特なのが、この株主優待制度です。株式を購入し保有している企業から、「株主への還元」という形でさまざまな特典が与えられることがあります。例えば、飲食店であれば5,000円分の食事券、ホテル宿泊施設を営む企業であれば宿泊券など、各企業の業態と関わりのある特典を得られることが多いです。インカムゲイン同様、株主優待もすべての企業が行っているわけではない点に注意したいところです。
以上の3点が、経済的リターンの代表的なものですが、つづいて精神的なリターンについて考えてみましょう。
精神的リターンを得る
精神的なリターンですが、これは個人差があるものの、次の3つを挙げておきたいと思います。
1.資産バランスの調整ができるようになる
多くの方は資産の多くを銀行や郵便局などの預貯金で保有しているかもしれません。だが果たしてその預貯金は5年後、10年後、20年後にどの程度増えているでしょうか?資産を預貯金100%で保有していると、当然あなたの資産は預貯金の金利の変動分しか増減しないわけですが、この低金利時代に大きな資産増加は見込めるでしょうか?
株式投資を理解し、実践することで、預貯金のまま眠らせていた資産を株式などのより高リターンを期待できるものへと配分することが可能となります。
もちろん株式=高リターンというわけではないですが、株式投資を選択肢のひとつとして持つことができれば、少なくとも「いまは低金利だから、この株式を買っておいたほうがお得だ」「株式市況が良くないから債権中心の投資信託へ配分しよう」といった、資産バランスの舵取りをあなた自身の手で行うことが可能となります。
これは一見経済的リターンの追及のようですが、実際には資産の配分をコントロール可能な状態にしているということであり、大きな精神的安定につながることになります。そう、自分自身の手に委ねることが重要なのです。
2.経済動向、世界の動きを理解できるようになる
政権政党が変わった、米国大統領が変わった、など国内外の比較的大きなニュースはテレビや新聞が盛んに報じてくれるので、みなさんもそういった大きな動きは大抵の方は把握していることと思います。
では、テレビの経済ニュースを見ているとよく出てくる「TOPIXは・・」「ニューヨーク株式市場の動きは・・」「原油価格の下落が・・」「最新の米国雇用統計は・・」といったお決まりの市況、マーケットに関するコーナーがあると思いますが、そのときあなたはテレビ画面を注視して動向を読み取っているタイプでしょうか?もしくは自分には関係のないこととして聞き流しているタイプでしょうか?(はたまた、その内容を理解できなくて胸に小さな痛みを感じている方もいるかもしれませんね)
いま現在あなたがどのようなタイプかは大きな問題ではないですが、もし理解できないことに満足していないようであれば、ぜひ理解できるような取り組みをすべきでしょう。
その点、株式投資を通じて取引きをはじめると、おのずと必要な情報を集めていくことで、これらのマーケット情報に対して敏感になってくるのがお分かりいただけると思います。つまり、個人投資家にとっての投資活動は、世界の経済動向とつながっているのです。
世界の動向をただ傍観したり、聞き流したりするのではなく、1つ1つを理解して自分の投資行動の糧としていくことで、「経済のことはわからない(けれど不安はある)」「米国のことだから関係ない(けれど将来は心配)」といった気持ちはなくなってきます。
自分の生活を自ら舵取りし、情報を取り入れ活用していくことで、漠然とした精神的な不安は解消できるのです。
3.金銭感覚が鋭くなり、倹約につながる
これは株式投資の副産物のようなものですが、投資をはじめてから数ヶ月もすると、日頃の出費をふと見直す機会が増えると思います。
なぜこのような習慣が身につくかと言えば、自分が購入している株価や投資信託の価格動向を定期的にチェックするようになるからです。「今日は◯◯円上がった」などと考えるうちに、株式投資でお金を増やすことの大変さがわかってくるのです。
そうすると、ふと「先週デパートで衝動買いした◯◯円の万年筆は、果たして価格に見合っていたのだろうか?もし、その分を投資に回していたら、もっと自分にとってプラスになっていたのではないか?」といった思考が芽生えてくるのです。
日々のお金の用途は、モノやサービスと金銭を交換する「消費」がほとんどですが、一度消費した金銭は、基本的には二度と手元に戻っては来ません。(その分また来月には給与が入る、と言う方もいるかもしれませんが、それは消費したお金とは別のお金が入ってきたということです)
一方、「投資」は「消費」とは違い、未来に返ってくるお金を生み出すために金銭を使用することです。もちろんリターンが確実なわけではないので、金銭が減少するリスクもありますが、ゼロになるというケースはよほどのことがない限り考えなくて良いでしょう。
そう考えると、「無意識に消費してしまっていた金銭」を細かくチェックし「投資するための金銭」を考えるようになってくるはずです。つまり、浪費とまではいかなくとも、日々の消費に敏感になり、倹約効果が現れてくることが多いのです。
倹約は基本的に精神面を安定させてくれますので、このメリットも軽視すべきではないでしょう。
まとめ
ここまでをまとめると、株式投資を勉強して実践するメリットは少なくとも次のようになります。大きく2つ、細かく分けると6つです。
1.経済的なリターン
- 株の売却益が期待できる
- 株の配当益が期待できる
- 株主優待が期待できる
2.精神的なリターン
- 資産を自分でコントロールできる
- 世界の動向やニュースが理解できる
- 健全な倹約の習慣が身につく
少なくとも、と書いたわけは、実はまだまだ株式投資をおすすめする理由はいくつかあるからですが、ここまで挙げた内容だけでも、株式投資(または株式投資の勉強)をはじめる充分な理由になるはずです。
株式投資の前に充分な下準備をしよう
「では早速株式を買ってみよう」と思った方もいるかもしれませんが、少し待っていただきたいです。株式相場は逃げはしないし、何よりあなたの大切なお金を投じるわけですから、十分な勉強と準備を整えてからでも決して遅くはないでしょう。
これからはじめて投資を経験するという方は、このサイトを通じて多くの新しい知識を仕入れることになるでしょう。だれもが初めは初心者であり、新たな知識を勉強することは大きな労力を必要とするものですが、これまで述べたように、株式投資は自分の資金を投じて経済的・精神的なリターンを得る行為ですので、十分その労力をかける価値があると考えて欲しいと思います。
このサイトでは、さまざまな株式投資に関する知識をわかりやすく伝えていきますので、ゼロからはじめる初心者の方もぜひご安心ください。
次の記事で、投資をはじめる前に必要な心構えについて解説しますので、ぜひそちらもじっくり読み込んでください。。
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